特別企画セッション(3月5日 15:10-16:40)

オーガナイザー:日浦慎作先生(広島市立大学)
テーマ:「RGBカラー画像をこえて」
 動的画像処理の「未来」を感じさせる非RGB画像の獲得と応用についての企画セッション
 (1)橋本学先生(中京大):距離データハンドリングのための3次元特徴量
 (2)田中正行先生(東工大):単板撮像素子を用いたマルチスペクトル動画像撮影システム
 (3)宮崎大輔先生(広島市立大):画像応用としての偏光
 (4)高畑智之先生(東大):遠赤外線画像の特徴と応用

(1)距離データハンドリングのための3次元特徴量

橋本学先生(中京大)
■ ご経歴
1987年大阪大学大学院工学研究科前期課程修了.同年三菱電機(株)入社.生産技術研究所,産業システム研究所,先端技術総合研究所にてパターン マッチング,ロボットビジョン,3次元センシング,ヒューマン認識などの研究開発に従事. 2008年より,中京大学 情報理工学部 機械情報工学科 教授.2013年より,同大学 工学部 機械システム工学科 教授. 1998年度日本ロボット学会実用化技術賞.1999年科学技術庁第58回注目発明表彰等受賞.2012年画像センシングシンポジウム優秀学術賞等受賞.
■ 概要
近年,距離データを取得するためのさまざまなセンサが急速に普及しており,3次元データ処理技術に対する関心が高まっている. 本講演では,距離データ取得手法を概観するとともに,物体認識への応用を中心に, 3次元特徴量および局所参照座標系の意味や性質を解説する.またこれらに関する最新技術を紹介し,今後を展望する.

(2)単板撮像素子を用いたマルチスペクトル動画像撮影システム

田中正行先生(東工大)
■ ご経歴
2003年東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム専攻博士課程修了. 2003年アジレント・テクノロジー株式会社入社, 2004年東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム専攻研究員, 2008年より東京工業大学 大学院理工学研究科 機械制御システム専攻 准教授. 2013年よりスタンフォード大学心理学部客員研究員.
■ 概要
本発表では,幅広く手軽に利用可能で低コストのマルチスペクトル動画像撮影システムの実現に向けて,近年著者らが研究してきた単板撮像素子を用いるマルチスペクトル画像撮影システムを紹介する.従来のRGB3バンドカメラに広く利用されているカラーフィルタアレイをマルチスペクトル撮像用に拡張し,ワンショットでマルチスペクトル画像の取得が可能である.マルチスペクトル画像撮影のためのマルチスペクトルフィルタアレイの開発およびマルチスペクトルデモザイキング処理について紹介する.

(3)画像応用としての偏光

宮崎大輔先生(広島市立大)
■ ご経歴
2000年東京大学卒.2005年東京大学大学院博士課程修了.博士(情報理工学). 東大特任助手,マイクロソフトリサーチアジア客員研究員を経て, 2008年広島市立大学着任,現在准教授. 論文賞(VSMM-00,VC-13)受賞,研究奨励賞(コニカミノルタ-14)受賞. MIRU2011出版委員長.OAI,IJCVSP編集委員.情報処理学会,電子情報通信学会,画像電子学会,IEEE,ACM各会員.
■ 概要
本講演では,偏光を活用した画像解析技術を紹介する.偏光は人間の目には見えない物理現象であるが,現実世界の状況を理解するための豊富な情報を保有している. 我々の研究グループでは,これまで偏光を活用した様々な技術を開発してきた.物体の表面形状の計測を中心に, 空の偏光状態の解析,鏡面反射の除去,散乱光の除去など広範囲の目的に偏光解析が役に立つことを示す.

(4)遠赤外線温度画像の特徴と応用

高畑智之先生(東大)
■ ご経歴
2007年東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻博士課程修了,博士(情報理工学).東京大学IRT研究機構特任助教を経て,2010年4月より東京大学大学院情報理工学系研究科講師.
■ 概要
我々の周囲の環境に存在する物体は、その温度に応じて波長10マイクロメートル程度の電磁波(遠赤外線)を放射している。遠赤外線は可視光と比べて1桁以上も波長が長く、ガラスに吸収されるなど、可視光での常識とは異なる振る舞いをする。本講演では、遠赤外線の特徴、遠赤外線画像の撮影原理、遠赤外線特有の現象について述べ、遠赤外線画像の応用について外観する。